トヨタ自動車は16日、小型ハイブリッド車「プリウス」を10年末から生産する予定だった米国ミシシッピ工場の稼働を延期することを明らかにした。同工場では当初スポーツタイプ多目的車(SUV)を生産する計画だったが、原油高の影響で販売が落ち込んだため、7月に車種をプリウスに変更したばかり。米国発の金融危機で堅調だった低燃費車販売も急落し、計画変更を余儀なくされた。

 同工場は既に9割が完成しており、建設は予定通り進めるが、生産設備の搬入は見送る。稼働開始の時期は未定。トヨタは11月に「緊急収益改善委員会」を発足させ、生産体制などの抜本的見直しを進めており、同工場の稼働延期もその一環だ。

 トヨタは07年2月にミシシッピ工場の建設を決定し、大型SUV「ハイランダー」の生産を計画した。今年上半期(1~6月)の米国市場は大型車を中心に販売が前年同期から10%減少したが、燃費性能の良いプリウスの販売は好調で「在庫が1日しかない状態」(トヨタ幹部)だった。このため、同工場を日本と中国以外では初めてのプリウスの生産拠点にすることを決めていた。

 しかし、11月の米国での全体の販売台数は約13万台と前年同月比34%減り、プリウスも販売台数0.9万台で前年同月に比べ半減していた。



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