12月5日(金)、HONDAが記者会見を行い、2008年をもってF1レース活動から撤退することが明らかになった。世界的な金融危機の中、「経営資源の効率的な再配分が必要」との考えからの決断だったと福井威夫(たけお)代表取締役社長が明らかにした。
本社での決定は4日(木)に下されたとのことで、衝撃の記者会見となった。ジェンソン・バトンとはすでに来年の契約を行っており、これから契約解除に入るという。また、売却の可能性を含め、チームの今後についてはこれから話し合われる。2009年の日本GPは、予定通り鈴鹿サーキットで行われる。
会見では、まず福井社長が挨拶(あいさつ)を行い、言葉をつまらせながら苦渋の決断に至った経緯を説明し、ファンとF1関係者への感謝の意を表した。
以下は福井社長による挨拶全文。
「私どもHondaは、このたび、2008年をもってF1レース活動から撤退することを決定いたしました」
「サブプライム問題に端を発した金融危機と、それらに伴う信用危機、各国に広がった実体経済の急速な後退により、Hondaを取り巻くビジネス環境は急速に悪化してきています。当面の世界経済は不透明さを増すばかりであり、回復にはしばらく時間がかかることが予想されます」
「Hondaはこの急激かつ大幅な市場環境の悪化に対し、迅速かつフレキシブルに対応をしてきましたが、将来への投資も含め、さらに経営資源の効率的な再配分が必要との認識から、F1活動からの撤退を決定いたしました。今後のHonda Racing F1 Team、英国でエンジンの供給を行ってきたHonda Racing Development Ltd.については、チーム売却の可能性も含め従業員と協議にはいります」
「Hondaは第3期のF1活動として、2000年よりB・A・Rとの共同開発という新しい形での参戦をいたしました。その後のF1を取り巻く環境変化により2006年より Hondaが100%出資するチームとしての運営に移行しました。最高峰のレースへの挑戦は、思いのほか厳しい道のりでしたが、多くの応援を頂き、 2006年に貴重な1勝をあげることができました。頂いたご声援に十分お応えすることなく撤退の決定をすることは大変困難をともなう決断でした」
「今後は、この激動の時代を生き抜き、レースで培われたチャレンジング・スピリットをもって、様々な新たな課題に引き続き挑戦し続けてまいります」
「これまで、ご声援をくださった多くのファンの皆様、そして活動を支えてくださったF1界の皆様に対し、心よりお礼申し上げます」
「ありがとうございました」
ラベル: 2008年自動車ニュース