日産と日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)は、二酸化炭素排出量の削減に向けて、エンジンや駆動系内部の潤滑オイルの挙動を可視化する技術の共同開発を開始した。
今回の共同開発では、世界で初めて動作中のエンジン内部の潤滑オイル挙動解析を実現するための撮像システムと解析手法の開発を進めていく。原子力機構はエンジンに適した撮像システムの検討と流体挙動解析手法の開発を、日産はエンジン撮像システムの製作と実際のエンジンを用いた可視化実験を行い、エンジン開発・設計への技術適用を、原子力機構東海研究開発センター・原子力科学研究所の研究用原子炉を使って進めていく。この実験により、最適なオイル循環設計が可能となり、より低燃費化で二酸化炭素排出量が少ないエンジンの開発が可能になるという。
エンジンにとって、潤滑オイルの挙動によるフリクションロスを低減することは、環境面でも大きな課題となっている。これまでは、高速回転するエンジン内部の潤滑オイルの複雑な動きを可視化計測、あるいはシミュレーションする技術がなかった。今回の共同開発に先駆け、両者は潤滑オイル挙動の高速撮像に関する技術的検討を実施。その結果、“高速度撮影中性子ラジオグラフィ”という解析技術を応用することで、エンジン内部の潤滑オイルの挙動を可視化できることを確認した。
ラベル: 2008年自動車ニュース
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