日産自動車は十七日、国内に四拠点あるグループ全工場で実施している減産措置を来年一月から拡大すると発表した。追加減産幅は約七万八千台。新たな生産縮小に伴い、製造現場に約五百人残っている日産本体の非正規従業員を三月末までに全員解約する。今回の景気後退局面で非正規従業員をゼロにする措置は、日本の自動車大手三社で初めて。ほとんどが契約途中での打ち切りになる。

 日産本体には非正規従業員が約二千人いたが、このうち約千五百人は年内で削減する方針を十一月に発表していた。

 約五百人は全員、派遣従業員。内訳は追浜工場(横須賀市)が三百四十人、横浜工場(横浜市神奈川区)が十人で、県内工場だけで大半を占める。子会社の日産車体湘南工場(平塚市)も新たな減産対象になっているが、人員計画は「対応を検討中」(日産車体広報部)としている。

 減産規模はこれまでの発表分と合わせ約二十三万台に上り、二〇〇八年度期首見通しの国内生産台数(約百三十八万八千台)の16・5%に当たる。

 工場別の減産台数は、追浜工場が約二万三千台、日産車体湘南工場が一万五千台、九州工場二万九千台、栃木工場一万一千台。一カ月の稼働日を二日程度減らしたり、生産ラインのスピードを落としたりして対応する。

 これまでの減産は栃木工場などで製造する大型車や高級車が中心だった。だが今回は小型車も本格的な生産調整の対象になったため、「ティーダ」「マーチ」などが主力の追浜工場に影響が大きく出た。

 追浜工場の減産規模は六千台から二万三千台に拡大し、生産台数が急激に落ちる。日産広報部は「国内市場でも在庫が積み上がり調整が迫られた」と説明している。

 他の自動車大手では、トヨタ自動車は約六千人いる本体の国内工場で働く非正規従業員(期間従業員)を約三千人にする。ホンダは約四千五百人を約三千三百人に減らす。いずれも契約期間途中の解約はしない方針だ。

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