トヨタ自動車は22日、2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)の予想を、従来の6000億円の黒字から、1500億円の赤字に下方修正した。トヨタの営業赤字は記録が残っている1941年3月期の決算以来、初めて。前期(08年3月期)は過去最高の2兆2703億円の黒字だったが一気に2兆円以上、利益を減らす。

 世界的な景気後退による自動車販売の落ち込みと急激な円高が要因。同日、スズキとダイハツ工業が減産に伴い非正規労働者を削減すると発表。自動車各社の業績低迷は長引く見通しで、景気への影響が深刻化している。

 トヨタは11月6日に、営業利益予想を1兆円も引き下げ「トヨタショック」と呼ばれたが、それからわずか1カ月半で再下方修正に追い込まれる異例の事態となった。売上高予想は23兆円から前期比18・2%減の21兆5000億円に引き下げた。

 同日発表した今年のグループ全体の世界販売台数(ダイハツ工業、日野自動車含む)の見通しは、前年比約4%減の896万台。前年割れは、現在の集計法となった2001年以来初めて。

 例年、この時期に発表している翌年の生産・販売計画については、見通しが立たないとして公表を見送った。

 名古屋市で記者会見した渡辺捷昭社長は「状況の厳しさは予想をはるかに超えるスピードと広さと深さで拡大している」と述べた。今期の役員賞与の支給は見送ることを表明した。


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