米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が7日発表した第3・四半期決算は、営業損益が予想を上回る42億ドルの赤字となった。また、流動性確保に向けた努力を優先するため、クライスラー買収計画は凍結する意向を明らかにした。

 同社は決算発表で、手元資金が69億ドル減少したことを明らかにし、新規の資金調達など抜本的な措置を取らなければ、2009年上半期までに事業継続に必要な資金が不足するとの見通しを示した。

 純損失は25億ドル(1株当たり4.45ドル)。前年同期の継続事業ベースの損失は425億ドル(同75.12ドル)だった。

 売上高は379億ドル。前年同期の437億ドルから減少した。

 世界販売は11%減少した。北米で約19%減少したほか、欧州で約7%減、アジアで3%減となった。

 ホワイトカラー従業員を削減し、来年の設備投資を25億ドル減額するほか、新型車の投入延期や減産を実施する方針を示した。

 同社は、クライスラーの名前に言及はしなかったものの、09年に200億ドルの流動性を確保するためコスト削減やその他の緊急対策に取り組むことが現在の優先課題だとした。

 リック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)は、「現時点では、われわれが全力を尽くして取り組むべき課題は、目前に迫る流動性問題との結論に達した」と説明した。

 また、「米政府の金融安定化策は、経済と自動車業界の回復に向けた重要な一歩だが、一段と強力な措置が必要だ」と述べた。

 売上高の急回復、一段と積極的なコスト削減、クレジット市場あるいは政府からの資金調達がなければ、手元資金は年内に必要な最低水準に迫るとし、さらに09年の上半期にはこの水準を大きく下回る見通しを示した。

 7月に発表していたクレジット市場から最大30億ドル調達する計画は、現在は不透明としている。

 新たな内容の事業再編計画の詳細を説明した声明で、「国内クレジット市場は依然として利用困難な状態にある。世界の他の金融市場にも影響が波及していることから、代替手段にも限りがある」とした。

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