スペインに本拠を置くフォルクスワーゲングループのセアトは4日、『イビーサ』(Ibiza)の「エコモーティブ」グレードが、ディーゼルコンパクトカークラスの燃費世界記録、34.3km/リットルを達成したと発表した。

イビーサはセアトの小型ハッチバック。2008年に登場した4代目は、フォルクスワーゲン『ポロ』やアウディ『A1』とプラットフォームを共用している。エコモーティブはイビーサの環境性能を徹底的に高めたグレード。1.4リットル直4ターボディーゼルの「TDI」(80ps)を搭載し、欧州複合モード燃費 27km/リットル、CO2排出量98g/kmを誇る。

今回の燃費チャレンジは、スペイン・バルセロナ近郊のセアト・マートレル工場を基点に、フランス経由でドイツへ向かい、無給油でどこまで走行できるかに挑戦した。ドライバーにはオーストリア出身のエコランスペシャリスト、 Gerhard Plattner氏を起用。4月27日、IPMC(インターナショナル・ポリス・モーター・コーポレーション)立会いの元、車両のボンネットと燃料タンクに封印を行い、スペインを出発した。

途中、エコランには不利な激しい雨に見舞われるシーンもあった。また、スペインやフランスの高速道路では、110km/hでクルージング。そして、イビーサエコモーティブはドイツ中部のゲッティンゲンを走行中、燃料残警告ランプ点灯により停止。IPMC の代表が車両の封印を解き、給油が行われた。

その結果、1562kmを走行して消費した軽油は、45.53リットル。34.3km/リットルというディーゼルコンパクトカークラスの燃費世界記録を打ち立てた。Gerhard Plattner氏は、「今年、最も劇的な燃費チャレンジ。イビーサエコモーティブは素晴らしい性能を見せてくれた」とコメントしている。

ところで米国では、フォードが4月28日、『フュージョンハイブリッド』で81.5mpg(約34.65km/リットル)というガソリンミッドサイズセダンの燃費世界記録を樹立したばかり。イビーサはこの記録には及ばなかったが、ハイブリッドに並ぶ高い燃費性能をアピールすることには成功したといえる。


 

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