16日、BMWジャパンから2世代目となる新型『Z4』が発売された。BMWの2シーターオープンモデルは96年に『Z3』が発売されたが、Z3は欧米ではボディが小振りだったために2世代目が登場することなく03年に初代Z4にバトンを渡した。
初代Z4は大胆なまでのロングノーズとコンパクトなキャビン、ショートデッキという典型的なスポーツカースタイルを採用して世界中で好調な販売を記録。それを受けて2世代目も基本的なエクステリアデザインは初代を踏襲している。
ボディサイズは初代に比べて全長が150mm延長されているが、全幅や全高、ホイールベースはほとんど変わっていない。全長が大幅に伸びている主な理由はリトラクタブルハードトップを格納するためにトランク部分が延長されているためだ。
通常、全長が150mmも延長されると全体的なバランスが大きく変わってしまうが、新型Z4はリヤのオーバーハングの長さを感じさせないように上手くデザインされている。
フロントマスクも一見したところ先代の面影を感じさせるが、ボンネットに刻まれたV字型のラインや切れ長になったヘッドライトなどにより、大幅に精悍さを増している。フェンダー上部まで一体成形されたボンネットフードが採用されているので、フロントセクション全体のまとまり感もある。
新型Z4の目玉でもあるリトラクタブルハードトップは2分割構造が採用されているが、こちらも上手くデザインされており、ルーフを閉じている状態でも美しいフォルムを作り上げている。
そして地味ながらも最も巧みにデザインされていると感心できるのが、ルーフが格納されるトランク部分の処理だ。今までのハードトップオープンカーだとトランク部分が厚く見えたり、長くなってしまいがちだが新型Z4はルーフが格納されるとは思えないほどコンパクトに見せている。
これはルーフの格納時のルーフの重ね方に工夫を凝らしていることも一因だが、トランク部分の前半を今までのソフトトップが収まっていた場所のようにブラックのカバーで処理しているからだ。さらにトランクリッド部分も中央を窪ませてストップランプを内蔵することで、長さと厚みを打ち消している。
これらのデザイン処理により新型Z4はソフトトップの先代で好評だったプロポーションを損なうことなく、さらに流麗に生まれ変わっている。先代の時からスタイリングに惹かれてZ4を選んでいた人も多かったが、新型ではさらにスタイリングが強力なセールスポイントになるはずだ。
ラベル: 2009年自動車ニュース