オバマ大統領は19日、米国内で販売する乗用車とライトトラック(SUV/ミニバン/ピックアップトラック)に適用する新しいCAFE燃費基準を公表した。2016年までに平均で35.5MPG(約15.1km/リットル)にすることを求めている。

すでに米国では、2020年までに自動車の燃費を現行よりも約4割改善させ、35MPG(約14.9km/リットル)にする新エネルギー法が成立している。オバマ大統領はこれを4年間前倒しで実施することを決断した。

これまで、米国内では最も厳しい燃費基準を掲げるカリフォルニア州をはじめ、州ごとに目標値が異なっていた。これに対して、自動車メーカーは「州ごとに違う規制に合わせた車を投入するのは困難」と難色を示していた。今回のCAFE基準値は、米国のすべての州で導入。オバマ大統領は「歴史的な合意」と、その意義を強調する。

新CAFE基準では、2016年までに平均燃費を35.5MPG(約15.1km/リットル)にする。車種別で見ると、乗用車は現行の27.5MPG(約11.7km/リットル)を39MPG(約16.6km/リットル)へ、ライトトラックは現行の24MPG(約 10.2km/リットル)を30MPG(約12.7km/リットル)へ引き上げる。

新基準は2016年までの5年間に、毎年5%ずつ規制を強化していくことで実現。米国運輸省の試算によると、今後5年間に販売される全新車の生涯消費燃料は、約10億8000万バレル(約1717億リットル)節約できるという。これを1台当たりのコストに換算すると、約2800ドル(約27万円)の燃料代が浮く計算だ。

オバマ大統領の新燃費基準公表に対して、自動車メーカーはさっそく声明を発表。GMのフレデリック・ヘンダーソンCEOは、「新規制に適合する車作りを進めていく」とコメント。米国トヨタ販売のジム・レンツ社長は、「米国政府の燃費改善への取り組みを高く評価する」と歓迎の意向を示している。

新CAFE基準では、2016年までに1台当たりのCO2排出量を155g/km以下にすることも盛り込んだ。ブッシュ前大統領時代には実現しなかった環境政策が、オバマ新政権の下で大きく前進しようとしている。



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