日産自動車は2日、ロシアのサンクトペテルブルグに2億ドル(約192億円)を投資した新車両組立工場での生産を開始したと発表した。
年間生産能力5万台となるこの新工場では、高級セダンの『ティアナ』、小型SUVの『エクストレイル』を生産する。
同日行われた竣工式には、ロシアのウラジミール・プーチン首相やサンクトペテルブルグのワレンチナ・マトヴィエンコ市長を始めとする政府、市の代表者、従業員、合わせて1000人以上が出席した。
日産のカルロス・ゴーン社長は「現在の環境下で、サンクトペテルブルグに日産の工場を開設したということは、ロシア経済の高い可能性に対する私たちの信頼と自信を明確に示している」と述べた。
サンクトペテルブルグ工場は、生産開始当初1直体制で、750人を新たに雇用した。同工場の業務をサポートするサプライヤーなどの進出でさらなる雇用機会が生み出されている、としている。
日産は2006年4月、サンクトペテルブルグの新工場建設計画を発表した。2006年6月には、第10回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムでサンクトペテルブルグ市と覚書を、経済発展貿易省と車両組立に関する合意書を締結した。2007年2月にサンクトペテルブルグ市は、このプロジェクトを同市の戦略的投資プロジェクトと位置づけ、同年7月に工場起工式を行った。
日産は、変化する市場の需要に、より柔軟に対応するため、市場に近い場所で車両生産を行うことを模索している。現在、ロシアでの日産のシェアは5.7%だが、欧州最大で、世界でも第5位の規模を持つロシアは、重要なグローバル市場のひとつで、ルノー・日産アライアンスの戦略でも重要な市場となっている。
日産は、他の地域と同様にロシアでも、グローバルな日産生産方式を導入、ロシアで生産される車両の品質は同社の国際的な水準に基づいた高いレベルに保たれるとしている。
ラベル: 2009年自動車ニュース