GMは現地時間2日夜、「ハマー」ブランドの最有力売却先として、中国・四川省の重工業メーカー、四川騰中重工機械と交渉中であることを認めた。売却額などは明らかにされていない。
GM は現地時間2日朝、「ハマー」ブランドの売却先を仮決定したと発表。ただし契約により、7 - 9月に予定される正式売却契約締結までは、企業や投資家の名前は公表しないとしていた。しかし、米国メディアの多くが、「ハマーブランドを購入するのは四川騰中重工機械」と報道したことで、GMも交渉相手を認めざる得なくなった形だ。
GMは「シボレー」「ビュイック」「GMC」「キャデラック」の4ブランドに絞り込み再生を目指すが、そのため「ポンティアック」ブランドは廃止、ハマーや「オペル」「サーブ」「サターン」は売却すると発表していた。このうち、オペルに関しては、カナダの部品大手、マグナインターナショナルを中心とするグループへの売却が決定している。
ハマーの売却に当たってGMは、米国内の3000人以上の雇用を守ることを条件にしている。これは、技術者、工場の従業員、ディーラーの社員などを含む人数だ。また、ブランド売却後も、ルイジアナ州のシュレブポート工場では、少なくとも2010年まで『H3』と『H3T』の生産は継続するとしている。
四川騰中重工機械は、中国で道路工事用の特別車両を手がけるメーカー。ハマーの第1号車『H1』(生産終了)は、軍用車メーカーのAMゼネラル社が開発した『ハンビー』をベースにしたモデルだった。ヘビーデューティ車両の技術が欲しい四川騰中重工機械にとっては、ハマーの買収話は渡りに船だったのかもしれない。
しかし、重工業メーカーは多くの国で、軍需産業と密接な関係があるもの。中国重工業企業へのハマーブランド売却には、反中国寄りの米国議員から反対の動きが出る可能性もあり、7 - 9月の正式契約締結までには紆余曲折が予想される。
ラベル: 2009年自動車ニュース