米国のナショナルコルベットミュージアム(NCM)は、開館15周年を記念して、世界に1台のシボレー『コルベット』を製作した。9月6日に開催される開館15周年記念イベントにおいて、抽選で1名にプレゼントされる。

このワンオフ・コルベットのベースグレードは、GMが4月末に発表した「グランスポーツ」。6.2リットルV8(430ps)を搭載し、ドライサンプオイルシステムや専用ワイドボディを採用。足回りも強化した新グレードだ。

グランスポーツとは1963年に、わずか5台のみが生産された伝説のレーシングカーにちなんだネーミング。GMは1963年、2代目コルベット「C2」をベースに、スポーツカー世界選手権に参加する目的で、5台のレーシングカーを製造。これがグランスポーツの起源である。

その後1996年、グランスポーツは4代目コルベット「C4」の特別仕様車に、その名前が使用された。ブルーのボディカラーに太いストライプというグランスポーツは、限定1000台が人気を集めた。

久々に復活したグランスポーツは、従来の「Z51パッケージ」の後継として用意。パワートレーンはコルベットの「LS3」がベースで、6.2リットルV8は最大出力430ps、最大トルク58.6kgmを発生する。これでも物足りないという顧客には、2モードエグゾーストシステムを設定。最大出力は 436ps、最大トルクは59.1kgmへ引き上げられる。0 ‐ 96km/h加速は4秒の実力だ。

トランスミッションは6速MTとパドルシフト付きの6速AT。6速MT車には、レーシングカーに由来する専用装備を導入した。ドライサンプオイルシステム、デフの冷却システム、リアマウントのバッテリーの3点だ。ギアレシオも専用仕様に変更される。

MT、 ATともに足回りを強化。コルベットのスポーツグレード、「Z06」と共通仕様のダンパー&スプリング、スタビライザーを採用。ブレーキはフロント 355mm&6ピストン、リア340mm&4ピストンが奢られる。前後タイヤサイズは、275/35ZR18と325/30ZR19で、アルミホイールは専用5本スポークデザインとした。

外観は前後フェンダーを膨らませた専用ワイドボディを採用。見た目だけでなく、前後トレッドを拡大しているため、タイヤを収める目的もある。前後スポイラーも装着。フロントフェンダーには、ブレーキ放熱用のエアダクトが追加されている。

ワンオフモデルは、このグランスポーツをベースに、ブラック&レッドの専用デカール、クローム仕上げのアルミホイール、「ZR‐1」用リアスポイラー、ブラックヘッドランプ、赤いツートンレザー内装などを追加。ボディカラーはアークティックホワイトだ。ミュージアムの15周年を飾るにふさわしいモデルとなった。

世界に1台のコルベットは、9月6日に行うミュージアム開館15周年記念イベントで、抽選くじを購入した人の中から1名に当たる。くじは1枚150ドル(約1万4000円)で販売中。グランスポーツの現地価格は5万5720ドル(約530万円)からだから、当選した人は、まさにアメリカンドリームを手にすることになる。


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