世界的な自動車販売不振による業績悪化を受け、日産自動車やホンダなどが2010年春の新卒採用数を大幅に抑制することが分かった。自動車の需要回復の見通しが立たないだけに、新卒採用を減らす動きは自動車業界全体に広がりそうだ。
日産自動車は来年3月末までに国内外の従業員2万人を削減する計画を打ち出していることに関連し、10年春入社の新卒採用数を数十人にまで絞り込むことを明らかにした。今春入社予定の新卒は590人のため、大幅削減を断行する格好になる。日産は経営危機に陥っていた00年春でも157人を採用し、その後も300〜800人を採用していた。
ホンダも10年の採用計画を大幅に縮小し、前年比4割減の890人とする。新卒採用が1000人を下回るのは4年ぶり。890人の内訳は大卒技術系540人(36.5%減)、大卒事務系80人(33.4%減)、短大卒と高卒を会わせた人数は270人(48.1%減)。
同社は、新興市場の需要が高まっていたことから、ここ数年は採用を増やしてきた。
トヨタ自動車は09年度に、中途採用を含め3629人を採用するが、10年度の新規採用については「減らす方向」(幹部)で調整しており、5年ぶりに3000人を割り込む可能性がある。
トヨタは世界的な販売不振などから、人件費などの固定費を10%削減する方針を打ち出しており、新卒者も削減せざるを得ないとの判断だ。
自動車産業は裾野が広いだけに雇用に及ぼす影響も大きい。大手が来年の新卒採用数を大きく抑制することにより、取引関係にある自動車部品や素材などの産業でも同様の動きが出てくるのは必至。来年の就職戦線が厳しい状況になるのは避けられそうにない。
ラベル: 2009年自動車ニュース
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