英国日産は8日、新型『ピクソ』の価格と発売時期を明らかにした。ピクソは日産初の欧州Aセグメントに属するコンパクトカー。5995ポンド(約89万円)からという低価格を武器に、6月1日に販売がスタートする。
ピクソは2008年10月のパリモーターショーで初公開。2006年6月に交わされた日産とスズキの事業拡大提携契約に基づき、スズキからOEM供給を受けるモデルで、スズキ版は『アルト』を名乗る。生産はインド・デリーにあるスズキの工場で行う。
ピクソは『マイクラ』(日本名:『マーチ』)や『ノート』よりもひと回り小さいコンパクトカーで、欧州における日産の入門車に位置づけられる。ボディサイズは全長3565×全幅1600×全高1470mm、ホイールベースは2360mmだ。
この大きさをマーチと比較すると、全長は160mm短く、全幅は60mm狭く、全高は55mm低い。ホイールベースは70mm短くなっている。パッケージングを徹底的に煮詰めた結果、コンパクトボディでありながら、大人4名が座れる居住性を実現。荷室容量はリアシートを起こした状態で、129リットル(VDA計測法)を確保している。
エンジンは新開発の1.0リットル直3(68ps)。欧州複合モード燃費22.7km/リットル、CO2排出量103g/kmと環境性能は文句なしに高い。
英国でのグレード展開は、「Visia」「Acenta 」「Tekna」の3タイプと発表された。最も廉価なVisiaはEBD付きABS、フロントエアバッグ、MP3付きCDプレーヤーなどを装備しながら、 5995ポンド(約89万円)という驚きの低価格を実現。89万円といえば、日本の軽自動車の大半よりも安い計算だ。
主力グレードの Acentaは、Visiaの装備リストに、サイドエアバッグ、リモコンドアロック、前席パワーウインドウ、フォグランプ、50対50分割可倒式リアシート、ボディ同色ドアミラー&ドアハンドルなどを追加。それでも価格は6745ポンド(約100万円)と、コストパフォーマンスは高い。
最上級のTeknaはVisiaに対して、ESPやカーテンエアバッグが追加され、価格は7645ポンド(約114万円)。なお、トランスミッションは全車5速MTが基本。4速ATは、VisiaとAcentaに910ポンド(約13万5000円)高で設定する。
英国日産は「年間7000台のピクソを販売したい」と意気込む。トヨタ『アイゴ』やヒュンダイ『i10』など、欧州Aセグメントのライバルにとって、新型ピクソの価格と商品力は大きな脅威となりそうだ。
ラベル: 2009年自動車ニュース