自動車業界紙『オートモティブ・ニュース・ヨーロッパ』の電子版は、「どのブランドを廃止すべきか」という読者投票を実施した。

これは、「もしフィアットがGM欧州部門を買収した場合」と仮定して、5月18日の週を中心に行なったもの。実際には、フィアットとともに最終候補に残ったオーストリア/カナダのマグナがオペルを買収することに30日決まったが、それまでに2648人が投票した。

画面には、「ランチア」「オペル」「ヴォクスホール」「サーブ」「フィアット」「アルファロメオ」の6ブランドのマークが並んでいる。読者は「廃止すべき」と思うボタンをクリックするようになっていた。コメントも書き込めるように設定されていた。

『オートモティブ・ニュース』電子版はこれまでも、昨年以降の業界再編の動きに合わせて、「誰がサーブを救うべきか」といった読者アンケートを実施してきた。

今回の「廃止すべきブランド」の1位になったのは「ヴォクスホール」の32%だった。これは、英国を主にした“地域限定ブランド”であることがマイナス要素となったに違いない。なお、今日のヴォクスホールのラインナップは、オペルの姉妹車と豪GMホールデンからの供給車で構成されている。

2 位は「オペル」の22%だった。投票の中盤までは4位に留まっていたが、交渉難航とともに「要らないムード」が一気に加速したようだ。3位は「ランチア」の21%。昨年発売された新型『デルタ』が奮闘しているものの、もはやプレミアムブランドとしてのステイタスがドイツ車に比べて弱いのが原因と思われる。続く4位は「サーブ」の20%だった。

いっぽう「廃止すべき」とした読者が少なかったのは、「フィアット」4%と「アルファロメオ」1%だ。

単純にイタリアン・ブランド強し、と受けとめることもできる。だが、フィアット・グループが経営危機を脱した2006年以前に、もし同様のアンケートを行なわれていたら、これら2ブランドが「廃止したらよい」の対象に挙げられていたことは容易に想像できる。ブランドイメージとは、かくも流動的なものといえる。


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